Intermission

大阪に向かう新幹線の車窓から富士山が見えた。
雲ひとつない快晴で、富士山にも雲が全くかかっていない。こんな日も珍しい。

今週末から来週にかけて大阪で開催中の「樹の会展」に絵を出品している。今回の出品は小さい8号作品なのだが、その視察を兼ねて大阪に向かった。自宅の100号からの逃避を兼ねての視察のつもりであったが、大阪で待ち受けていたものは絶望のような現実であった。
自宅で描いているときはそこそこよく描けていると思い込んでいた絵が、他の作品の中に並べられたとき、なんとみすぼらしく感じられたことか。これは大きなショックであった。すぐにでも外して捨ててしまいたいくらいだった。
敗因はいろいろ考えられる。自分の絵は誰の目に過程をさらすでもなく、東京で描いていたものをひょいと出しただけであった。それに対し大阪のメンバーは常に緊張の中で追い詰められていた。その差が一つの原因ではないか。一人で描くことのいかに大変なことか、を思い知った。そしてそれしきの差であっさりと敗北してしまいうる自分のチカラの至らなさを思い知った。さらに、なんだかんだでやっぱり楽しく描かなくてはならない。というのも大前提であると思い知った。描くことは義務ではない。ここ最近の自分は楽しむ以前に、一人でもやれることを証明しなくてはならないことに急ぎすぎていた。そのあたりも敗因だったのではないか、と思う。

冷静にならなくては。それでいて情熱的にならなくては。そしてまた歩き出す...。□