展覧会 「鳥獣戯画がやってきた!展」 (9点/10点)

六本木を「魔界」と称する自分も、サントリー美術館国立新美術館の登場により、やむを得ず足を踏み入れる機会が増えてきている気がする。
#但、この秋の二紀展の際、師と初めて六本木で祝杯を交わしたこともあり、自分の中で六本木は徐々にイメージを変えつつあるのだが...。



東京ミッドタウンはオープン以来、初のクリスマスを迎える。とのことで大変な賑わいである。
加えて本展も今日が最終日ということもあり、入場に20分程度かかるという混雑振りであった。



初対面となる生・鳥獣戯画の第一印象は、思ったよりも大きいな。ということだった。
これまでは雑誌や絵葉書でしか見たことがなく、全て縮小されていたから小さい巻物だと勘違いしていたが、縦30cmx横12メートル(!)という広い空間の上を兎や蛙、猿たちが賑やかにパフォーマンスしているのである。


甲・乙・丙・丁の4巻が一同に公開されていたが、シリーズを重ねるごとにクオリティは明らかに落ちていた。同じ鳥獣戯画でも、描いている人も時代もそれぞれ違うのである。
やはりじっくり見たいのは甲と乙である。


10メートルにも及ぶ巻物だ。一度失敗したら全てパアである。その緊張感の中、下描きもなく墨で一息に、決定的に描かれている。それでいて見る者を和ませてしまうところに、作者の余裕すら感じてしまう。
全くすごい人がいたものだ。


鳥獣戯画の他にも、関連する絵巻物や(オナラ合戦絵巻とかいうオバカなものもあった)、甲に影響を受けた後世の写本だのが展示されていて思った以上に楽しめた。


日本最古の漫画を存分に楽しむことができた。
直前まで行きしぶっていたのだが、やはり何はともあれ「百聞は一見にしかず」である。□


P.S:Impressions of東京ミッドタウン
・各フロアが広くてゆったりしているのがなかなか宵。
・各フロアのレストランは高級すぎて手が出ない。
・3Fにファーバーカステルのショップが入っていた。2000円の鉛筆セットが欲しい。
・「東京ハヤシライス倶楽部」の黒ハヤシライス。少々辛かったが中々美味しかった。


●前回見学の展覧会→「ムンク展」