ワイン対話

西葛西に住む友人宅に招待いただいた。


何かよい手土産はないものかと思案していたのだが、そういえば今年はまだボジョレーヌーボーを飲んでいなかったな。と思い出した。


タイミングも丁度いい感じだし買って行こう。と浅草の松屋に向かったのだが。


「今年は寒かった」とワインコーナーのおじさん。


「フランス人は決してネガティブなことを言わない。売れなくなるから」と。


要は今年は「駄目」なのか?
そういえば毎年なんだかんだでワインなど飲まない自分がボジョレーを飲むのは、この時期コンビニに盛大に並んでいる様につい踊らされてしまうからだ。
今年、未だボジョレーを口にしていないのはコンビニの店頭でほとんど見ることがなかったからなのである。


「友人のおみやげにボジョレーがいいかと思うのですが」と思い切って尋ねてみたら、


「やめときなさい!!」とおじさん、即答。人が良すぎる。


では何がいいのだ?といろいろ試飲をしながら問いかける。


「フランス人はフランスのワインは飲まない。スペインのワインを飲むのです」


とかなんとか。そういう薀蓄を聞きながらつい試飲しすぎて目が回ってきた。


気がつけばスペインのボトルを握っていた。


まあボジョレーをつかまなかっただけでもよかった。のだろう。ワインは難しい。□