ヘドロオーシャン戦略

東京でやり残したことはなんだろうか。


唯一あげるとするならば「寿司屋巡り」だろうか。


寿司は東京に限らず食べることはできるが、やっぱり江戸前というくらいだし、築地もあったりでうまい魚が集まっているのは確かなのである。


別に「すきやばし次郎」に行こうというわけでもないが、うまい寿司に出会いたい。


ということで最近は高いところから安いところまでいろいろ足を運んでいる。


だいたいどこもおいしい。しかしハズレもある。


今日入った浅草の「まぐろ人」という回転寿司屋はとにかくひどかった。最低だった。


寿司以前に接客、店の雰囲気が特にひどかった。


店員は高校生か大学生のような面々が7〜10人。
彼らは客の前であるにもかかわらずつるんで大声で私語を話している。格好もかなり薄汚い。(減点-30)


店はそれほど混んでいたわけでもないのに、彼らは俺を人と人の間に空いた1席に無理やり押し込んだ。
空いているんだからせめて好きなところに座らせてほしい。(減点-20)


やがて右隣のカップルが会計を済ませ去っていったから、少し右にずれたら、とたんに「詰めて下さい!」とわざわざ空席をこちらに寄せてきて俺を元の場所に戻させた。
客いないんだから、少しくらい広く場所取ったっていいじゃん。客が来たらまた詰めたらいいんだし。(減点-50)


寿司を食べる前にもう減点-100になってしまった。GAMEOVER。である。



こうなったら、回ってくる寿司も全部が干からびているように見え始めてしまう。


これがたとえ「すきやばし次郎」の寿司であったとしても最早、犬の餌にしか見えない。


接客や店の雰囲気というものも料理の一つではないのか。


しかもここは寿司屋だぞ?


日本を代表する食文化に泥を塗るような接客をさせないでほしい。


店の雰囲気を台無しにするほどコスト削減してどうする。


そうまでして寿司を食べたいなどとは絶対に思わない。


これはブルーオーシャン戦略の大失敗例ではないか。
ブルーどころか、ヘドロだ。ヘドロオーシャン戦略。


もう今後二度と決して「まぐろ人」に行くことはないだろう。


客というものは怖いものなのである。□