試練に立ち向かう

上野の森大賞展に落選する。3回目の落選。


正直、想像以上の厳しく高いハードルだということを改めて噛み締めている。


初めて落ちたときは世界の破滅のようなショックを受け、自分一人ではその衝撃を受けきれず女々しくも人に漏らしたりもした記憶があるが、何度か落選しているうちに一人で処理できないほどのショックではなくなってきた。


2日程度でたちなおり、むしろその反作用的エネルギーで描くモチベーションは出品前より高くなった。というかようやく目が覚めたというところか。


自分にとってはこの現象を全て「良いこと」として捕らえている。


現状のこのやり方では、やっぱり、かなわないんだ。という問題を、目を背けず直視しなくてはならない。


今の日々の制作の態度の見直し。


画面のボディの弱さの見直し。


制作時間、計画の見直し。


絵に対する緊張感の見直し。


決定することを先延ばしにする弱さの見直し。


皮算用してしまうあざとさの見直し。


技術的な力不足の見直し。


コンセプトの見直し。


構成の見直し。


どんぐりからの脱出。......and so on.



ざっと思いつくだけでも、これだけの否が出てきてしまう。


怒ったり、嘆いたりする前に、まずはこれを完全につぶした。という「絶対、自分に嘘のない状態」にならなくてはいけない。


今の俺は、課題が見えている分だけ、楽だ。


経済成長期の日本のように、やればのびるという期待が明確だ。


これらをつぶした先には。そこの角を曲がった先には。光があるのかもしれない。という期待。それがあるかぎり、俺は先の角を目指し、そして曲がっていく。


その未だ見ぬ領域が気になる以上、手を休めるわけにはいかない。足を止めるわけにはいかない。


謙虚に、真摯に、ストイックに、楽しく。坂道をのぼっていきたい。□



#それにしても、毎年毎年、ほんとひどい誕生日プレゼントだ。同じ日本人でこれだけひどいものを毎年もらっている奴がどれくらいいるのか。