個展幕間

全く見も知らない人が来て、ふうむと唸って去っていったり、素朴な疑問を飛ばしてくれたり。


いつもお世話になっている人が来て、おみやげを持ってきてくれて、ほめてくれたり、ゲキを飛ばしてくれたり。


自分のこれまでおおむね3年に亘る全出力が一同に並び、第三者の目にさらされ、ストレートにリアクションが返ってくる。


個展開幕序盤は、それもチクチクと蚊がさすようなわずかな刺激であったのだが、気がつけば大いなる快感に変わっている。


あたりまえだ。


絵は俺の分身だ。その分身がむき出しになって展示されている。
組織のような第三者に対する責任の転嫁などしようがない。
全部が「俺」である。
それを良いだ、悪いだと言われるのである。これが刺激的でないわけがない。


さらに、普通の生活を繰り返す上では決して交わりえなかった人が、自分の絵を媒介し、交わりを生む。出会いを生む。この面白さ。


もっともっとこの場所に居たい。


あと1時間、あと1日、あと1週間。伸ばした時間の分だけ多くの人と接点が持てる。
このスリルを永続させられないものか......。そんなことを真剣に悩み、終わっていくこの「お祭り」に刹那さ、というか、センチメンタルな気持ちを感じてしまう。


すぐにでも次の仕掛けに取り掛かりたい。そんな衝動が沸いてくる。
でも大急ぎでやっても1〜2年はかかるだろうとわかっている。
それまでエネルギーを蓄積しなくてはいけないもどかしさ。


でもこの「お祭り」をまた実現できるのなら!
俺はどんな苦労を乗り越えてでも描き続けて、今よりももっと多くの人を楽しませ、喜ばせる、素晴らしいものを演出したいと願う。


これこそが、まさに、「俺たちのフィールド」だッ。□