これって夢の映像なんじゃないか。
「ねじ式」ほどまでにあからさまに夢!という感じはしないけど、むしろそのことを隠しながら作っている感じすらする。
32年間ロシアにいた困り者の親父がふらりと帰ってきて、32年前どおりどおりにやろうとすることで周りが困惑する。
....という感じの話だが、政治にせよ家族にせよそれほど強いメッセージ性は感じられない。
ラストにはお祭りの喧騒に健気な母親が巻き込まれ、海の上に放逐された父に声をかけるような不条理なシーンが展開する。
夢の中で見た絵を1枚1枚つなげてあとから1本のストーリーにて串刺しにして映画化したように感じる。
感性の高い人向けかな。静かだしたいていの人は「ぐっすり」でしょう。□