リセットとビッグバン

本日、東京事変の解散が発表された。


前回のブログにて、東京事変の現在のあり方には強く警鐘を鳴らしてはいたが、まさか解散するとは、寝耳に水であった。


が、冷静にとらえれば矢張りこの時期での解散は妥当だろう。と思う。むしろ「歓迎」する。


「群青日和」という楽曲と共にビッグバンのように世に登場したときのあの衝撃と、2ndアルバム「Adult」の完成度でピークを迎えたバンドの存在意義、楽曲の新鮮さは、アルバムを重ねるにつれ、みるみると薄まっていったように思う。


仮に、次回6thアルバムでこれまでをリセットし、再起を図ったとして、逆転ホームラン(「Adult」以上の大傑作)を世に放つことが可能であったか?と問うと、絶対に無理だったと思う(少なくとも今のようなバンドメンバーによる楽曲制作と林檎嬢による作詞のアプローチを繰り返す限り)。


振り返れば、椎名林檎としてソロで活動していたときも、カルキザーメンのリリースやら映画制作をしていた頃は、ソロとしての活動が今と同様な暗礁に乗り上げている感じがあった。
そこからの再起が東京事変であり、その象徴たる楽曲が「群青日和」であったと思う。
今、東京事変としての活動も1サイクルが終わり、アーチストとしての椎名林檎は次のビッグバンに向かって動かなくてはならないと思う。


まずは一ファンとして、このたびの解散としっかりと見届け、次回どのような姿で登場してくれるのかを期待して待つことにしたい。□


◆追伸1:
楽曲の質が落ちていったと感じる中、3.11をきっかけに発表されたカバー曲「夜明けのうた」は、一転してとがりまくった一曲に仕上がっていたと思う。


楽曲としてのベクトルの向きは結成当初とは異なる方向を向いていたが、その大きさは「群青日和」に匹敵する強烈な力を感じた。


あの天災は、それほどの大きな使命感を多くのアーチストやアスリートに与えたのだろうと思う。


◆追伸2:
ソロに戻るのならば、個人的な願いとして「唄ひ手冥利 其之2」のリリースが強く望まれる。


楽曲のカバーは今やブームというより、スタンダードになってきた感があるが、林檎姫の実践していることこそが、まさに本当の「カバー」であると思う。
世の中の多くがいかにカバーと称して「ただのカラオケ」をやっているか。
カバーと謳う以上、オリジナルを飲み込むくらいの気概がないのならば、やる必要はない。


もちろん、亀&森の組閣は変えずに、だ。猫はきらびやかすぎて林檎嬢の蠱惑的デロリに合わずどうも好きになれない。ゲストには山口一郎とか斉藤和義あたりが宵。