たたずむもの。

小西保文先生の展覧会を拝観した。


小西先生はもういない。


でも、作品が先生に代わって全てを語ってくれた。


これからもずっと作品が先生の代わりになって語り続けていくのだろう。


そういう絵が描けたら。


公募展に出品し、市の美術展に出品し、コンクールに出品し、個展を開催する。


それを繰り返していれば、もはや僕はなにも語る必要はないのかもしれない。


作品が前面に立ち、作家を代弁する。作家はその背後に回り、静かに会場に佇む。


そういう姿になれたら。


そのとき僕は、初めてほんとうの作家になれる。□