春のマニフェスト

いつも目の前に透明なガラスが立ち塞がっている感じがする。


軽い気分で割ろうとぶつかっていっても、必ずはじき返される。


「本気」で割りに行かなくては、決して割れることは無い。


だが1枚が割れたとしても、すぐにまた次の1枚が現れる。


しかも次の1枚は、前の1枚よりも強化されていて割れにくくなってる。


この繰り返し。



ガラスが目の前から消えることはおそらく一生無いのだろう。


歳をとって割ることが難しくなっていくこともある。


歳をとったことでむしろ簡単に割れることもある。


次の1枚がどういうガラスであるかは向き合うまではわからない。



来春の個展準備に向かい始める。


今、目の前にあるガラスは10枚重ねの超硬化ガラスのように見える。


でも、打ち破るよ。打ち破ってみせる。


それが桜と約束した毎年春のマニフェストなんだよ。□