掘北真希を、尊敬する。
綺麗だとか、可愛いだとか。
そんな感情はとうに超越している。
ただ、尊敬している。
サワコの朝で、
これまで彼女に対して、自分が抱いていた印象が、
実際の彼女の考え方や生き方とほとんどずれていなかったことを知った。
喜怒哀楽をなるべく外に出さないようにする中立的な姿勢。
周囲の空気を読み、社会的責任を確実に果たしていく姿勢。
彼女が実践しているそれらの姿勢は、
自分がずっと憧れ続けている理想的な生き方、そのものであった。
世界は広い。
世界のどこかで、いつもこのような美しい蝶が羽ばたいている。
武士の娘に対して、きっちりと、恥ずかしくない仕事がしたい。□