「変わってないね。」
といわれると、嘘だろう。と思ってしまう。
変わっているに決まっているのである。
最後に会ってから15年もたっているのだから。
見え透いたことを言いやがって。と思った刹那、
この言葉は「まごころの形」なのだな。とも思う。
何年たっても元気で若いね。ということを相手に伝えて安心させるための。
そして自分も変わらずにいたい。という願いを反響として受け取るための。
それでもまごころを素直に受け取れない自分。
変わってしまったという事実を見たからこそ、
変わってないね。といってフォローするのだ。
本当に変わっていなかったらこの言葉は出まい。
かといって「変わってしまったね。」と真正直に
言われてもショックを受けて落ち込むのだろう。
.....ひねくれてやがる。
やっぱり江戸の人間なんだ、俺。□