図書館で深呼吸。
.......なんでしょうか、この清々しさは。
知に囲まれる幸せ。
自分だけのアジトをもったような幸せ。
図書館に絵画展の図録を寄贈した。
どちらかというと断腸の気分。
できることならずっと所持していたい貴重な資料ばかり。
でも狭い我が家のキャパシティにも限界がある。
とめどなく膨張していく書籍の山はある程度の周期でリセットされなくてはならない。
思えばバルテュスと出会ったのは図書館だった。
図書館の美術書のコーナーで、おもむろにバルテュスの画集を発見した。あの衝撃。
それから何か月もの間、図書館からの返却勧告にも聞く耳持たず、ずっと我がもののようにバルテュス画集を独占して、毎日毎日穴の開くように見返していた。
きっと誰かが寄贈した画集だったのだろう。
僕はそのおかげでバルテュスと出会い、今最も敬愛する画家のひとりになっている。
今日、自分が寄贈した画集も、いつか誰かが発見して穴の開くほど見つめてくれる日が来るのだろうか。図書館の知の一部となって生き続けてくれるのだろうか。
そう思えば、寄贈も希望だ。
我が家にこっそり眠っていた画集にとって、新たな活躍のフィールドになってくれることを切に願う。
※バルテュスの画集はその後勿論、返却しました。本当ですよ!□