描いている姿を見られるのが苦手だ。
今やアトリエではほとんど描いていない。
アトリエは描きに来てよい。と言ってくれている。
狭いアトリエである。6名もいたら満員というくらいの。
入門当初は生徒としてアトリエで描かせてもらっていたが、
スタッフとしてお手伝いをする時間が大きくなってきたことに加え、
絵も徐々に大作となり他の生徒の邪魔になってしまっていた。
だがそもそもそれ以上にアトリエで描くのが苦手だった。
制作の舞台裏を他人に見せたくない。のである。
製作の過程は格好悪い。とても人には見せられない。
それに途中過程を見せてしまったら、
発表する楽しみがなくなってしまうではないか。
結局完成した作品が全てなのである。
たぶん僕は、サプライズを作りたい。のだろう。
みんなの驚く顔がみたいんだ。
作っている過程を見せてしまったら
もうそれはサプライズにならないのである。
作品に全てをため込んで一気に放出したい。
だから準備はこっそりと、丹精に作りこむ。
決してその姿は見せない。
もしその姿を見られたとき、
きっと僕は鶴になって空の彼方に飛び去っていくのだろう(気障)。□