2つのおいしい

近所に開店したハンバーグステーキ専門店へ
行ってみた。

外食はひさしぶりである。(居酒屋は除く)

あふれだす肉汁。肉の味が生きている。

確かにおいしかった。

.....だけど何かが違う!と感じたのでした。

いったい何が違かったのでしょう...?

ちょっと過激な書き方になりますが。

「自分でつくった方がおいしい」

と感じてしまったのでした......。


ついに僕はシェフの腕を超えてしまったのでしょうか。

まさか...!!

素材の選び方、手間のかけ方、経験、情熱に
圧倒的な差がある。

プロを超える味などつくれるわけがないのです。

ではいったい何がおいしいというのでしょうか。

それはたぶん、ただ


「自分の口に合うように徹底的にカスタマイズしている」


というだけなのでしょう。

料理の味そのものではプロにかなうはずが無いわけです。ただ、

自分が食べたいものを食べやすい量で。大きさで。安く。気軽に。

といった点で自炊は強さを発揮します。


つまり僕のおいしいとは「味」ではなくて「安心」なんですね。


外食が提供してくれる料理そのものの「味」のおいしさよりも、

自分で作った「安心」のおいしさの方が、先日の自分にとっては

優先度が高くなってしまっていた。ということだけだったのです。


実はそれだけではなくて、もう1つのからくりもあったのです。


そのハンバーグステーキ店は、シェフ一人と給仕一人。

入店時、店内は空いていたのだけど、

どのテーブルにも前のお客さんの食べ終わった皿が放置されていて、

入店時の給仕の一言。「ご案内するまで15分待ってください。」

そこでちょっと気持ちがくじけてしまった。

プロの料理とは「味」だけじゃなくて「空間」や「もてなし」も
含めてのものだと思うのです。

「じゃあ家で作った方がいいな」と考えてしまったのでした。

その後、確かに美味しいハンバーグステーキをいただきましたが、

残念ながら最初の印象を挽回するには至らなかったのでした。

消費者の目って本当に厳しいものですね。

明日は我が身。気を引き締めてものづくりにいそしみたく....。□