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シン・ゴジラ論 (ネタバレ注意)

例えば、チェーン店系の居酒屋で酒を飲んでいるとき、
給仕の接客・応対が、とても粗末に感じることがある。

オーナー社長のサービスへの想いが、
給仕にうまく伝わっていないな、と感じることがある。

オーナー社長 → 支店長 → 給仕。

たかだか2〜3階層程度の想いの共有であるように
思うのだけれど、給仕の方々にとっては、

「私は単なるパートタイマーです。

 社長がどんなにサービスに燃えていようとも、

 私はお給料以上のことをするつもりはありません!」

といった具合で動いているな、と感じることがあります。

オーナー社長は、給仕がそのような意欲であっても、
お店が回るような仕組みを作ってはいるのだろうけれど....。

それでも、やっぱり僕に取っては、社長の熱い想いは、
そんなセーフガード的な仕組みに寄りかかるのではなくて、
各支店の全スタッフを狂わせるものであって欲しい。
と思うのです。

前置きが長くなったが、シン・ゴジラについて。
まず、庵野秀明監督、そして樋口真嗣監督。
彼らの持つ特撮への愛情のいかに大きいことかを思い知った。

作品の規模が大きいほど、店舗の規模が大きいほど、
監督やオーナーの 想いはよほど強くなければ、
隅々まで伝わってはいかないものです。
が、彼らの特撮への愛情は、作品に携わる全てのスタッフたちに、
確実に伝染していた。とんでもないエネルギーです。
彼らのこの狂気とも言える特撮への想いが、
まさにこの隙のない傑作「真・ゴジラ」を生み出したのだと思う。

今回はフルCGによるゴジラということだったが、
いかにもアメリカ的な こなれたCGアニメーションという感じは全くなく、
むしろアナログによる 手作り感、ミニチュアの破壊感等を大切にし、
しっかり表現されていて、
往年のゴジラファンの期待も満足させる出来になっているように感じた。

それどころか、更なるリアリティまでも兼ね備え、
新たなゴジラの恐怖を 描き出しているように感じた。
現代の日本にゴジラが現れたら?
日本の政府、世界の政府は、まさにこのように動くであろう。
と思うほどのリアリティ。そしてスピード感。

蒲田、品川、鎌倉、銀座等、現代の東京の名所を非情にも破壊し、
逃げまどう人々の姿を見ていると、ゴジラを現代の日本の数々の災害に
見立てているようにも感じさせ、一層の恐怖をあおってくるのである。

自衛隊の攻撃が全く通用しないゴジラには、エヴァンゲリオンの使徒を
彷彿とさせるなど、これまでの庵野秀明作品のファンをニヤリと
させるような 演出の逆輸入も見受けられた。

総じて、シン・ゴジラには庵野秀明監督や樋口真嗣監督が見てきた
特撮、アニメーションへの喜び、感謝を確実に形にして世界に還元し、
次のものづくリストたちへのバトンをしっかりとつなげているように思った。

もう一度見たい.....。

だがそれ以上に本作品のメイキングもしっかり見届けたい.....。
(はやくDVDにならないかしら)

またエヴァンゲリオン巨神兵といった作品にも
改めて目を通しておきたい....。

好きなことを、ただ好きで終わらせない、彼らのものづくりの姿勢を
しっかり 見届け、吸収して、自分のものづくりにも活かして行ければと願う。□