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夢十夜 「第八夜」

こんな夢を見た。

ある日、自宅マンションの部屋の

布団の上に巨大な玉虫が歩いている。

玉虫といえば赤と緑がきらきら光る

美しい色あいの昆虫で、田舎でも

滅多に目にすることのない希少な昆虫

である。

見つけたとしてもすぐに飛んで逃げて

しまうのでなかなか捕まえることも

できない。

そのためか、一般的に縁起の良い昆虫と

とされ、その死骸はお守りとしてタンス

の中に大事にしまわれていたりする。

その玉虫が布団の上にいるのである。

が、巨大である。50cmくらいはある。

美しい色であることには間違いないが、

その大きさゆえに不気味である。

やがて巨大玉虫は部屋の中を飛び始め

ぴたりと止まると、おしりから無数の

卵を産み始めた。

廊下、リビング、寝室に次々と黄色い

小さな卵がどんどん生み出されていく。

あたかもフィーバーしたパチンコ台の

ように。

そしてその卵はものすごい速度で大きくなり

無数の小さな玉虫が孵化していく。

そして大きくなった玉虫はまた巨大玉虫と

なり、また卵を生み出していくのである。

「これはいけない」

と自分はほうきでその卵をどんどん外に

掃き出していく。外の世界に掃き出すと

その卵や玉虫は自然消滅するようなのだ。

廊下に産み落とされた卵はなんとか全て

掃き出すことができた。

そしてリビング、寝室の卵もやがて全て

掃き出すことができた。

これで我が自宅は玉虫の侵略から守られた、

と思ったのだが、寝室に置かれた本棚や

キャンバスの裏の卵はすべて掃き出せたか

どうか....。

また次の玉虫が現れはしないかと不安で

たまらずにいる。□