「猛毒」と呼ぶ映画がある。
映画とは虚構である。
しかし虚構とはいえそこまで描いてしまってよいのか、
というほどの過激な映像表現。気分が悪くなるほどの。
そういう映像に溢れる映画を僕は猛毒映画と呼んでいる。
・「パンズラビリンス」ギレルモ・デルトロ監督作品
・「怒り」李相日監督作品
僕がこれまで見た猛毒映画たち(の一部)である。
ホラー映画は入っていない。ホラーは猛毒ではない。
モンスターや霊ではなく実存する人間のふるまいほど
えぐいものはない。
見た後の後味の悪さ。だが見てよかったと思うのだ。
人間の深さを作っていくものは経験なのである。
そして人間が深くなるほど仕事が深くなるのである。
つまり多くの経験をするほど作品は良くなるのです。
更にその経験が猛毒であるほど作品は深くなるのです。
だが人間が一生で得られる現実での経験など、
この世界の広さ深さのほんの一部にも満たない。
そのための猛毒映画なのである。
どんどん見ますよ、猛毒映画。
でも現実での猛毒体験はあまりしたくはないよね。.....失恋とかさ。□