ぼくのことば

 未だ絵画以外で語る手段があると思い込んでいた。

 絵画以外に語る手段なんて、無いのです。僕には。

 絵画という手段で語りきれない己の未熟さを、

 未だ言葉で補って世界に許しを乞おうとしている。

 最低だ。

 そんなことをする程、みじめになるというのに。

 作品はもう世界に出てしまったんだよ。

 それがどんなに小さく、補足、痩せて、ひ弱だったとしても、

 もう補うなんてことは決してできない。

 船は出港する前に荷物を詰めきらないといけない。

 出港した後に忘れた荷物を積むことなんてできない。決して。

 ということをそろそろ思い知らないと。

 世界に出す前にもっと慎重にならないと。大切にしないと。 

 次のたたかいは、はじまりました。

 こんどこそ後悔しない仕事をします。必ず。ぜったい。□