自宅の大掃除を終えた。
大掃除といえば一般的には年末にするものなのだろうが、
僕の場合は11月に実施する。
年末は毎年、美術研究所の大掃除に駆り出されていて、
自宅の大掃除ができないので11月に実施するようになった。
春の個展と秋の公募展の出品を終えたこの11月が僕にとって
一番の大掃除の時期なのだ。
床に敷いたビニールシートを全て張り替える。
平積みされた展覧会の図録を棚に収納できるよう、
不要な書籍を処分してスペースを開ける。
古くなった筆をざっくり捨てる。
筆洗バケツに溜まったヘドロを掃除する。......and so on.
1日仕事である。
だがこの大掃除は、今や来年にやってくる次の個展、
そして次の出品への開始を示す、僕にとっての大切な儀式
となっている。
この掃除で僕の一年はリセットされ、また次へ蘇生して
いくのである。
過去に描いた作品を眺めるのもこの機会だ。
全ての過去の絵をどけないとビニールシートを張り替え
られないので、作品を全てリビングに移すのだが、
そのときに過去の作品を久々に眺めることになる。
改めて思ったが、自分が描いた作品であっても長い間見ないで
置いておくと他人が描いた作品のように新鮮な目で見ることが
できるものだ。
描いていた当初は画面に向かってばかりで客観的に見えて
いなかった作品そのものの狙いや、勝手にでてきていた自分の
癖のようなものが今ようやく見えるような気がする。
巨匠や先輩が描いた作品をたくさん見てインプットすることも
大切なのかもしれないけれど、自分が描いた作品を一度じっくり
見直してみるというのも、とても大切なことであると気付く。
さあ、僕の2017年度がはじまります。□