日に新た。

永観堂
いわずとしれた紅葉のメッカである。
数年前初めて訪れた時、視界を覆う
燃えるような美しいあの「紅」に、
大きな感動を覚えたものだ。
今年も必ずあの「紅」を!と大きな期待を
抱いて足を運んだものの....。
なんだかおかしい。
まるであの「紅」が嘘だったかのように
多くの葉は散り、残った葉も燻ったような
色をしている。要は美しくない。のである。
紅葉というものはその年の気温や日照に
大きな影響を受けるようで、毎年同じ時期に
必ずしも同様の色合いになるものでは無い
らしい。
紅葉狩りの大本命に毎年永観堂を据え置いて
いた自分にとっては予想しなかった事態で、
がっかりしてしまったのだった。
が。その翌日、ふらと訪れた大山崎山荘。
開催中のモネ展を見ることが目的ではあった
ものの、奇しくもこの山荘の周りを彩る紅葉が
驚くほど美しかったのである...!

期待し尽くしたことに裏切られ、
期待から完全に除外されたことに祝福を受ける。
思えば数年前に永観堂を初めて訪れたのも、
毎年訪れていた嵐山の紅葉に裏切られ、
しぶしぶと出掛けた時に、あの衝撃の「紅」
出会ったのであった。
どうやら「いつも通り」は長くは続かないようだ。
ずっと「いつも通り」で居たいとは思っていても、
そうなったときにはもう次の新た。を受け入れて
僕らは変わっていかなくてはならないみたいだ。
世界はいつも破壊と創造を繰り返す宿命なのだな。□