かつて父に贈った輪島塗のぐい呑み。
スケッチ旅行で輪島を訪れたときに
父の日が迫っていることを思い出し、
入手したものだった。
普通のぐい呑みよりも若干大きめで
底に鯛が描かれている。まさに本物
の輪島塗であり申し分のない贈り物
であったと思う。
そして今。
あの時なぜ僕は「自分の分」を購入
しなかったのか。と激しく後悔して
いる。日本酒のすばらしさに目覚め
美味しい酒をより一層素晴らしい器
で楽しみたいと思うようになった。
ぐい呑みは以前のみの市で手に入れた
備前焼を1つもっているが、漆器も
欲しくなったのだった。
帰省するたびについついこの後悔を
父に漏らしてしまうものだから、
(見苦しい.....)父も同情して、
「帰省したときは使っていいよ。」
と言ってくれてはいる。
しかし実家を離れてしまえばもう
輪島塗はないのである。
百貨店で手に入ると聞いて調べたが
やはり現地で買うのと比べると
値段がぐんと跳ね上がってしまう。
いつかもう一度輪島を訪れるしか
ない.......!!
そんな決意を心に燃やしながら、
また父の輪島塗を借りて酒を飲む正月。□