台湾出張から戻った同僚がとても幸せそうだ。
行く前はぶつぶつと愚痴をこぼしていた彼だが、
行ってみたらどうやら大変愉快だったようだ。
仕事がうまくいったということもあるのだろうが、
出張先の仲間に仕事後、美味しいレストランに
連れて行ってもらったり、少しばかりの観光を
楽しんだようである。
しかし、先日酒を飲む機会があり、どこがそれ程
良かったのか?楽しかったのか?と尋ねてみたら
彼はひとこと。
「ひとりでいられることが良かった」
「ひとりでいること」が食事やら観光やらを
超越しているとは。それほどまでにひとりが
良いのだろうか。
彼は二人の育児と仕事にはさまれて日日大変では
あるようだが。
対して僕は孤独である。確かに孤独であることを
楽しんでいるところはある。が、にぎやかな家族
に憧れることは多い。
彼は更に言った。
「でも何日かしたらすぐ寂しくなるのだと思う」
彼も僕も。そして人ってやつは。
結局ないものねだりをし合う生き物のようである。
余り周りを見ず、
今自分にあるもの、
自分が持つものを、
存分に楽しむのが良いみたいだ。□