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ダンサーが一週間練習しなかったら、体がどれくらいおちるか。
ボクサーが一ヶ月休んだら、次に戦うことができるかって。
僕が例えば一週間書かないと一週間目に書くとき大変ですよ。
だから毎日何かしら書いてないとね。
何か書いて筆先が考えるように
自分を仕向けて常に保っていないと
衰えていきますよね。退化していきますよね。
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ドラマっていうのは一本の木でいうと
木ってのは根っこからはえてくるわけですよ。
根っこがしっかりしていないと木は育たないんですね。
根っこって何かっていうと登場人物たちなんですよね。
みんな木を考えるときに
葉っぱの茂り方をどうしようとか
枝ぶりをどうしようとか
実をどういうふうに美しくつけようかとか
花をどう咲かせようかみたいな
上のことばっかり考えちゃって
実際にその木が寄って立っている根っこのことを考えないんですよね。
そこから着実に時間がかかるその作業をきちんとしてこないんで、
だらしのない脚本ができちゃうんですね。
それをものすごく僕は半年1年かけて
最初の根っこをつくるところに時間を使いますね。
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君(セリフの)本当の意味を探ろうとしていない。
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何か練習しているように思えないんだよ。
朝やってまた今になって
めちゃくちゃに落ちちゃってるしさ。
プロになる気がある人って手あげてごらん。
その中で今プロだって思ってる人手あげてごらん。
プロじゃないよ君全然。
君らの年は勉強すりゃグーッとあがっていくんだよ。
その時期っていうのは短いんだよ。
20歳、30歳、40歳、そこらへんなんだよ、
一番伸びるのは。
その時期を逸しちゃったらね、
もう死ぬのを待つだけ。
本当に今しかできない努力ってのがあるんだよ。
(脚本家 倉本聰氏のことば@プロフェッショナル)