良いものは自分が決める。

「君はあの展覧会を見たか。 
 本当に素晴らしかったぞ。 
 絶対みておくべきだ!!」

僕はその展覧会を知らなかった。
知っていたとしても行くつもりはなかった。
そういう展覧会にはたとえ誰かが絶賛したとしても
決して行かないことにしている。
感動は個々の人間の「体調」や「状態」にすごく依存している。
彼は今その展覧会をすごく求めており、
また吸収できる状態にあった。だから素晴らしかったのである。
だが僕はその逆である。
展覧会のことすら知らないほどの無関心。
更にそれを吸収できる状態でもない。
そういうものは見ないに限る。
これまで他人からの強い推しを受けて見た展覧会で
よかったものは一つもなかった。
結局、見たいものは自分で決めるのが最良なのだと思う。
そしてそれがいくら素晴らしかったとしても、
他人にとっては全く響かないものであったりするのである。□