こんな夢をみた。
蜷川幸雄のワークショップに参加することになる。
ワークショップとはいえ、実はガチの芝居に近い。
今日が本番だといわれているのに、未だ手元に
台本が届いていない。
会場のフェスティバルホールへ向かうと、
エスカレータのところで蜷川幸雄氏に遭遇する。
開口一番怒鳴られるのではないかと怯えていたが、
とても気さくに今度飲みに行こう、といった声を
かけてくれ、ほっとしている。
だが、会場へ入るとそんな気持ちも吹き飛んだ。
20~30歳代の若者が台本を片手に発声練習をしたり
がっつり衣装を着替えて跳ねたり走ったり準備に
余念がない。
台本も赤や青、緑など役ごとに違うものが
しっかり用意されていたようだ。焦る自分。
スタッフに台本が届いていないとたずねたが、
まだ遅れているといわれる。
間に合わないと思い、僕はスーツに着替えて
会社まで台本を取りに行こうと準備をしている。
だが会社にも台本は無かった。
もういきあたりばったりで立ち向かうしかない。
きっと蜷川氏に怒鳴られ殺されるかもしれない。
蜷川氏からワークショップの課題が伝えられた。
「ここに女が一人いる。君たちは風を演じてみろ。
だが、右から左に「ヒュー」とか言いながら
走るような稚拙な演技は絶対に許さん」
僕はまた頭をかかえてしまう。□