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今日の一冊

「劇場」 又吉直樹著 (新潮2017年4月号)

芝居に取り組む主人公の強いこだわり、創作への考察。
そして彼女との生活と彼女への想い。
当事者であってもここまで深く、濃くは描けまい。
芝居と絵画。フィールドは違えど同じ芸術に立ち向かう者として
主人公・永田に強くシンクロナイズされた。
そして少しずつ何かが歪み、次第に追い詰められていく彼と共に
まっしぐらに奈落の結末へと転落していく。
永田と青山のメールでの喧嘩などはホラーと言える程の怖さだ。
だが、又吉氏のお笑い芸人としての含みもそこここに感じられ、
くすりと笑ってしまう箇所もあり、不思議な余韻が残る。
そして涙も。秀作です。とてもとがっています。□

 

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