小さくて大きな成長

ドラゴンクエスト3の社会現象や

スーパーファミコンの人気沸騰。

そんな時代にいつも自分は受験とやらを抱えていた。

優等生気取りの自分は、このヤマをのりこえるまで!

などと自己を戒め、ゲーム一切を封印して勉強を優先

させてきた。今に思うのだが、むしろ封印などせず、

ほどほどに学び、ほどほどに遊んでいたとしたら、

きっともっといい高校や大学に入れたのではないか、

と思っている。たぶんそれは正しい。

僕はきっと勉強そのものを頑張りたいというよりも、

世間から見える自分をただ真面目な人間に仕立て

上げたかっただけだったのではなかったかと今思う。

なんとナンセンスな虚栄心....。

誰も期待していないことに拘り、無駄なエネルギーを

注ぎこみ、見返りを得るどころか、むしろどんどん、

世間の目から離れて行ってしまう。

そんなことを繰り返してきた今。

自分は一見、一般社会の中で涼しげに生きているように

見えながら、実は社会の目からかなり離れた辺境で、

生きていかざるを得なくなってしまっているように思う。

無理をしてきた。無理をしている。

本当はそんなに社会に未練はないはずなのに、

テレビゲームをしたいという自らを封じ込め、

社会に阿り、媚びる生き方をしぶしぶ選択している。

もう無理な自分、やめにしませんか。

そう自分に言い聞かせ、

個展準備に追われる中SWITCHでゼルダに堂堂と勤しむ。

これが僕の20年の成長です。小さくて大きな成長です。□