種をまく

「やっぱり15年はかかるね。」

このたび関西二紀展にて大阪市長賞をいただいた際、
師はそう言った。
初出品の頃から「巻いていけ」とずっと言われ続けて来たが、
今種明かしを受けてみれば、かつての師も同様に、
様々なTRY&ERRORを繰り返し、
世に認知され、認められ、評価を頂くまでには概ね
この程度の時間、ステップを踏んできたようである。
巻くことはできなかった。

要は、表現したいものが作品に出現するまでには、
インプットから10~15年の歳月を必要とするということのようだ。
絵画を始めて15年。あのとき頭の中にまいた種が、ようやく熟し、
今刈り入れが始まったということなのかもしれない。
刈り入れが済んでも安心はできない、すぐにまた次の作品に向け
種をまき、準備をはじめなくてはいけない。

作品をつくることも農作業と多くの変わりはないのかもしれない。□