お世話になった先輩が10月から他部署に異動した。
日々忙殺され新しいテーマの創出に転げまわる中、
新天地で仕切り直しができるその姿に、我々は
勝手に「真っ青な美しい芝生」を見て取っている。
先日定時後に先輩がこちらのオフィスにやってきた。
奇しくも先輩の移動先は徒歩で5分程度の場所にあった。
「ここはいいね。毛布にくるまれているみたいだ」
「あたらしい部署は床の上に直接寝ているみたいだ」
異動したばかりだから慣れないこともあるのだろうが、
それは本音だったのだろう。
人は、自分に無い部分や、他人がもつ良い部分だけを
見て、うらやんだりしがちだ。
だが光があれば、必ず影もある。
隣の芝はそれほど青くも無いのかもしれない。
今いる場所の芝の青さを見つめ直すのがよいのだろう。
我唯足知。□