誤解

みうらじゅん氏は、仏像好きであり、

デーモン小暮閣下は、相撲好きである。

はじめてそう聞いた時から、しばらくの間、
(というか10年か20年くらいか、かなりの間)
僕は、芸能人がキャラクター作りのために、
他とは変わった趣味を持っていることを、
わざわざうたっているのだろうと思っていた。
そんな想いは「ナンチャッテ」なんだろうと。

しかし。その誤解は永い時間をかけ、
溶けて行った。

この人たちは本当に好きなんだ。

彼らに、キャラクター作りなど全く必要ない。
最初から強烈なキャラクターがあるのだ。
むしろその強烈なキャラクターが、相撲好き、仏像好きを語り始めることが
却ってふざけているように聞こえ、誤解に至ってしまったのだろう。

ふざけているようにみえたのは、
彼らなりの「好き!」のプレゼンテーションであり、啓蒙活動であったのだ。
そんな活動が10年、20年と長い時間続く間、
自分にも心から相撲が好きになり、仏像が好きになるという変化があった。
そのとき初めて、彼らの想いが真剣であり、本物であり、
そして、そのへんにいる軽いファンよりも余程詳しく深いことを知り、
「申し訳ありませんでした!」という気持ちに至った次第である。

どんなに軽んじられても本当に好きという気持ちをもって訴え続けることで
世界は変わるということを教えられたのであった。

「好き」ということを大切に、真摯に生きていきたい。□