仕事で示す

父親が文化センター主催のスケッチ教室に通学して久しい。
帰省するたびに新作を見せてくるのだが、
実際ぐんぐん上手くなっていて、初期のころはえらそうに
ああせえ、こうせえと言えていた自分も最近は返す言葉が
なくなってきている。
だが、父はことあるごとに教室の先生の悪口をいうのだ。
なかなか褒めてくれないくせに、自分よりも下手な女性の
絵ばかりほめるとか、とるにたりない悪口ばかりを口走る。
そんなに気にくわないなら、やめたらいい。
そう伝えると、それでもやっぱり先生の作品は素晴らしい。
と絶賛する。そしてやめるわけにはいかない。というのだ。

結局は「仕事」なのだと思う。
絶対的に素晴らしい仕事をしている以上、多少の悪い癖が
あったとしても人間は必ずついてくるということである。
仕事を絶対的に良くしなくてはいけない。
仕事が悪いのに口ばかりでは誰もついてきてくれはしない。
まあ、そもそも父の悪口は子供っぽくて、先生に悪い癖が
あるとは到底思えないのだが....。□