今日の一冊

「闇に香る嘘」下村敦史著 講談社

目を引く表紙デザイン。そして惹かれるタイトル。
どの本屋に行っても平積みになっていて、唯々、
絶賛の書店の声と共にならべられている。
ミステリー小説が好きであるが、最近はあまり
読めてはいなかった。惹かれるがままにエイヤと
ばかりに手に取ってみた。
中国残留日本人孤児の歴史を生きた兄弟を描いた
作品である。主人公が盲目で「見えない」ことと
読者が文字のみで映像が見えない小説の特性が
重なり、物語の謎を共有する展開となる。
ちりばめられた謎が全て氷解していくラストに
ミステリはやっぱりおもしろいな、と再認識した。
書店のオススメは間違いがなかった。秀作です。□

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