スイッチ

個展準備でもっとも重要なのは「時間管理」である。
時間というものは、なんとなく過ごしていたら、
本当にあっという間に流れていってしまう。

残された時間がどれくらいあり、その限られた
時間内でどれだけのパフォーマンスを出せるか。
そんな緊張感を常に頭の片隅に置おいておかないと、
ほとんど制作が進まないまま、個展直前になって
いたりする。
糸の切れた凧のようにどこかに飛んで行ってしまう。
自らが凧となり、自らがその凧糸を引く強い精神力
で臨まなくてはならない。

例年、制作時間の管理表を作って、
「何時から何時まで何を制作した」という作業日誌を
つけている。
これまでは体力の許す限り、エンドレスに作業は続き、
ときには1時間、ときには5時間など、まばらな仕事の
仕方をしていたのだが、今年はそのやり方を見直して
みることにした。

「体力が続く限り、作品ができるまでやる」のではなく、
「作業時間を2時間に限定する」とした。

制限時間を設け、その中で徹底して仕事をしてみたい。
時間を区切れば、業務後の疲れた状態でもこなせるし、
またいずれ、制限時間内で作業の質を上げるよう、
体が動き出すのではないか、という期待も込めている。
社会を賑わせている「仕事改革」が、
いよいよ我が制作にまで及んできたのである.......!

個展まで、残すところあと3か月。
この新しいやり方で、どのような成果を出せるか、
今からわくわくしている。□