品格の境界

全て足りないくらいが丁度良いのかもしれない。

割烹でお刺身を3切いただいたとき、とても美味しくて
もう2切欲しいと思っても「また次のご褒美にしよう」
と我慢するくらいがいいのかもしれない。
もうちょっと欲しいな。と思うくらいで止めておく
のがいいと思う。
もしその境界を乗り越えてしまったら、
「欲しい」どころか、「もういらない」となって
しまうような気がする。
もしかしたら恋愛ですら、愛が日常となれば、
顔も見たくない、に変貌してしまうのかもしれない..。
全て「もうちょっと欲しい」で止めておくのがいい。

でも、また逆に、足りなさすぎてもいけない。
上品を前に出し過ぎたような居酒屋に入り、
生ビールの中を頼んだ時、どうみても小でしょという
グラスで生中を出してくるような店に、僕は失望する。
500mlの中グラスを300mlの小で出して、うちの酒は
ブランドですなんて。上品と吝嗇は違うのです。
実際その後出てくる料理は給仕も遅く、少なすぎたり。

あふれすぎても駄目。足りなさ過ぎても駄目。

とても難しいけれど、僕はその絶妙な境界を探し、
その境界に、立っていたいと思います。□