夢十夜 Season2 第九夜

こんな夢を見た。

千葉の祖母の家を訪れたら、祖母の祖母が持っていた宝物が出てきたと騒ぎになっている。
ふと見れば、知らぬ間に祖母の家は博物館のように様変わりして運用されていた。
館長らしき人が、祖母が持っていたとされる4号サイズくらいの仏像のアップ写真を見せてくれたが、裏返すと目の部分に穴が開いていて、そこがのぞき窓のようになっていた。当時、祖母の祖母が屋敷に訪れた国賓を隣の部屋から覗いたとされる貴重な資料だという。写真の裏をよく見ると穴があいているだけでなく、いろいろな走り書きのようなものがされていて、それも歴史的にとても貴重なものだと説明を受けた。説明の内容はよくわからなかった。
この博物館に保存される、もう一つの大きな資料としてモノクロの映画を1本見せてもらった。
古い時代を生きた一人の青年が主人公で、時代の波に流されながらも激しく立ち向かい、青年は物語の終りに向けて死んでしまうのか、それとも生き残れるのか。という物語だった。
古い作品とは全く思えない、まるで自分のことのようにリアルで深い映像だった。
ラストシーンは、世界の果てまでやってきた青年が、わらの草むらにどさっと仰向けで倒れ、煙草をふかしてニヤリと嗤って終わった。
自分は、これまで見たどんな映像よりも強烈な印象を残ったと感じている。これからの自分の人生にこの映像がきっと大きな影響を及ぼすことを確信している。
館長に深く感謝をし、博物館を去った。□