視線

楽しみにしてますっ。

キラキラした目で後輩が個展の案内状を受け取る。
そんな視線を受けるたびに、ぼくはおびえる。
絵の先生がたの視線は、なんだかんだで同じ描く人の視線だからむしろ怖くも無い。
描かない人が、なにかサービスのようなものを期待して見上げてくる視線が余程怖い。
知らない世界で何か新しいことをやっている、きっと楽しいはずだ。みたいな視線に応えられるほどのものをぼくは生み出せていない。
期待されるほどに困る。そしてそんな視線を受けるほどに、緊張は更に高まる。今更かっこうを付けて見せようとしても付け焼刃でしかなくて、見苦しいだけだろう。それでも、なんとかしなくては。という気持ちが高まる。
残す日は15日を切った。最後の最後まで悪あがきを続けることだろう。□