プロダクションノート4 ~下絵~

僕にとって、下絵は絵画の「命」です。
下絵を描かない作家もいますが、僕は下絵を必ず作ります。
この下絵づくりが長い。
ピクセルのずれをも補正してモチーフを右に左に動かします。時にはモチーフそのものを差し替えたりもします。PC上で、スケッチブック上で、自分のイメージに合致するまで何度でも描き直します。
まさに生み出す作業であり、大変な作業なのですが、僕はこの過程が一番好きです。

構成ができた!と思ったときが一番のエクスタシーで、正直そのあとのタブローは誰かゴーストライターに描いて欲しいくらいの気持ちになっています。
音楽の世界で言えば「作曲」なんですね。曲ができるまでが一番楽しい。できたらあとは優れた演奏家に演奏してもらって、優れた歌の上手い人に歌ってもらったらいい。それくらい気持ちは離れます。

下に挙げたのは今回の個展の中心となる大作「わたしの庭」の構成過程です。
メインモチーフとなる格子の家をまず描いて、その周りに椅子を置いたり、木を置いたりして、しっくりくる構成を繰り返し探して行きます。
最後には2枚のキャンバスで一枚にしようというところまで絞り込んでます。
この構成ができたとき、ものすごい達成感があったことを記憶しています。

完成した作品は会場で観てやってください。□

 

f:id:massy:20180422014231j:plain

f:id:massy:20180422014253j:plain

f:id:massy:20180422014310j:plain

f:id:massy:20180422014331j:plain