一難去ってまた一難。

今回もなんとか個展を無事に終えることができましたが、それも束の間、すぐに次の制作が待っています。

6月に入ってすぐに開催される関西二紀展に向けて、100号の作品を制作しなくてはならない。

イムリミットは1ヵ月。

毎年、この時期にはそんな「一難去ってまた一難」を続けているのだけど、今年は更に窮地に追い込まれている。
いつもなら、せめて100号の地塗りくらいは終わっていたりするのだけど、今年は全くの未着手。構成も白紙状態。これほどの事態はこれまでにもほとんどない。いわゆる大ピンチなのです。
いつもなら絶望的な気持ちで泣きべそをかきながら制作する、というような状態になっているはずなんだけど、今年の僕はどうしたことか、楽しくて仕方がないのです。

今回の個展は、これまでで最も準備に苦しんだのだけど、その分なんとか開催までこぎつけた時、かつてないほどのカタルシスのようなものが全身の毛穴から噴き出したのでした。
陳列が終わった後に飲んだビールの美味さ。これまでの人生で最も美味しかったといっても過言ではないと思う。

こんな快感を経験してしまったためだろうか。

個展が終わった後に「もっともっと刺激を!」という状態になった。あの快感を手に入れるためなら、どんな苦しみも楽しみに変わる。
もっともっと苦しみたい。ややゆがんだ快感嗜好が芽生え始めてる。

世間一般からみたら「キモチワルイ」とでも言われるかもしれないけれど、僕にとっては「やっとここまできた」という感じです。
心から描くことを楽しく思えるように、ようやくなれたような気がします。
まずは1か月後をめざし、100号を楽しく描ききりたいと思います。

「好きなの、スリル」といったニコ・ロビンの気持ちが今やっとわかったのかもしれない。□