センスのカルテット

宇多田ヒカルが真っ白な雪原を走り回っている。

なんだなんだ?!とそれだけで目が釘付けになるのだが、さらにその映像に新曲「Play A Love Song」が乗せられている。
わずか15秒、30秒程度のサントリーのスパークリングウォーターのCMだったのだが、瞬時に目を奪われ、映像も、楽曲も、そして商品のことも全てが同時に、脳に強く焼き付けられてしまう。

スパークリングウォーターをどうやって知ってもらうか、買ってもらうか。というCMとしての本分を全部捨てちゃっていて、商品のことは、まるで宇多田ヒカルの新曲のプロモーションの「ついで」くらいになってしまっている。
それなのに、一般的なタレントを呼んで作りこまれたようなCMに比べても、圧倒的な差をもった「価値のあるCM」になってしまっている。直接語らずに、本質を語りきってしまっているというか。すべてがWINWINのわずか数十秒の映像コンテンツ。

宇多田ヒカルという存在自体のセンス。
楽曲のセンス。
映像のセンス。
それらを融合して語らないCMを作ってしまった制作者のセンス。
センスのカルテットだ。

まったくもって恐れ入ります。
ほんとにどこをみてもすごいものがあふれているよなぁ。ニッポンも。セカイも。□

 

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