科学者のおじいちゃんと溌剌とした可愛い孫娘。
鶴田謙二作品の定番の設定である。
日本の美しい原風景に、ベネチアやフィレンツェの風景、少年のもつ冒険心をきわめて自然に融合させる。
誰もがいだくノスタルジーと憧憬を、美しいペンタッチで2次元の世界に再現する。
日本の島々の住人に小型飛行機で荷物運搬をする女の子みくら。
亡くなったおじいちゃんが遺した資料から、海上で時折目撃されてきた謎の島・エレキテ島の存在を知り、愛猫と共に島を探す旅に出る。
絵の密度がものすごく高い。1コマ1コマが絵画のようで、じっくりながめていて飽きない。
現実には無い世界が描かれているのだが、現実にある光景を組み合わせて描かれているから、とても近くのように感じる。自分もみくらと共に旅をしている気分になれる。
6年ぶりに発売となった2巻。3巻はまた6年後だろうか。それでも待ち続けたい名作である。□