床屋

床屋に行ってきました。

目を閉じて髪の毛がシャキシャキと落とされていくのを感じるとき、僕の中にある余計な雑念のようなものも一緒に落ちていってくれるようで気持ちがいい。

「シャキシャキ」と書いたけど、今日の床屋さんは、ほとんどバリカンで僕の髪を切りました。だから厳密には「ジャリジャリ」なんだけど、やっぱり床屋といえば「シャキシャキ」がいい。

はさみを使わずに、機械が僕の髪の毛を切っている。

ふと思ったんだけど、もしかしたら、この先の未来は、もはや僕の髪の毛は全てロボットが刈っているのかもしれない。
AIだ、ロボットだ、ということが世の中のトレンドとなっている昨今では、それはもう「もしかしたら」ではなくなっている。

床屋の完全自動化....。
なにかが胸にちくっとささる。
これも時代ということばで受け入れていくしかないのだろうか........。

シャンプーの間、そんなことを考えていたら、突然(!!)お湯がとまった。
店内のそこここで「あれ?!お湯が出ない。ボイラーが壊れたっ」という小さなどよめきが聞こえてくる。
混乱する床屋さん。謝る床屋さん。
シャワーからちょろちょろと流れ出すわずかなお湯で、なんとかシャンプーを流し落としてもらった。
小さなトラブルだったけれど、なんだか笑えてしまった。

まだまだ床屋はロボットには無理なのかもしれない。
やっぱり床屋には人情も大切だよね。□