ゲームボリュームの潮流

NintendoSWITCHのスーパーマリオオデッセイをクリアした。

ゲームをエンディングまで遊べたのは久しぶりです。
すごかったです。面白かった。とても丁寧に作られている。
クライマックスからエンディングまでの演出はとくにすごくって、自分がまさに映画の主人公になったようで、驚嘆の声をあげてしまった。
エンディングまでだいたい30時間くらいだったろうか。
ゲームの完成度もさることながら、実は、今の僕にとっては、この「30時間程度でエンディングまで行けた達成感」がとてもとても、重要だったのです。

自惚れるつもりはないのだけど、現代のテレビゲームのあり方みたいなものは、僕らファミコン第一世代が作ったものだと思っています。
初めてテレビゲームに触れ、ブームを起こし、ブームの渦中に巻き込まれた当時の小学生たちの反響が、ゲームメーカーにコールバックして、今のゲームの骨格がかたち作られたと思うのです。
マリオブラザーズからスーパーマリオ、そしてドラクエへ......。ゲームのボリュームも、当時ちびっ子だった僕らの年齢に合わせて、クリア可能な範囲のボリュームになっていったと思っています。
そして僕らが大学生、社会人になるころ、時間的にも体力的にも最高潮だったころに、クリアまで60時間とか100時間いうスタンダードが確立されたと記憶しています。
だけど今、その僕らも歳を重ねて時間が取れなくなったり、体力も衰えたり、100時間を超えるような規模のゲームは、とてもクリアできない年頃になってしまった。
視力を壊す子供が続出するという社会現象の渦中にいた僕らが、昔ほどゲームができなくなっている。
もちろん、今の若い世代に向けたボリューム満点のゲームは、今なお前線を走っているけれど、当時の僕らを見てきたメーカーのまなざしというか、情けというか、そんなものが働いて、今のゲームのボリュームの見直しが入り始めているような気がするのです。
スーパーマリオオデッセイの30時間でエンディングというゲームボリュームは、僕らファミコン第一世代に対する、情けではないだろうか。

Nintendoがすごいのは、クリアとやり込みのボリュームの切り分けを絶妙に設定したことです。
30時間程度でクリアするという達成感を味わわせつつ、もっとやりたい人には、隠しエリアや、やり込み要素をクリア後に切り離し、100時間くらいのやりこみ要素として盛り込んでいる。未練の無い人は、30時間で卒業できるように作りこんでいる。本当にすごくって、ありがたいことです。

コンシューマゲームのあり方も、ますます進歩しているように感じます。

やっぱり僕ら第一世代はファミコンを卒業できない。

未だの方、是非仕事が終わった後のひと時に、マリオオデッセイをどうぞ。
都市のステージは本当に感激しました。□