粗末な食事

 

ずっと自炊を続けています。

 

友達や知人とレストランや居酒屋に行くとき以外、原則外食はしません。

たいしたものは作っていません。
お魚を焼いて、お味噌汁を作り、納豆やお漬物を添える程度です。
ご飯は半合炊きます。冷凍はしません。いつも炊きたてを食べます。
そしてお酒を少々。

とてもシンプルです。

でも、自分でいうのもなんだけど、この食事を毎日とても美味しいと思っています。
ほとんど手をいれない、素材の味をそのまま食べられるものを中心に食べているからでしょうか、飽きることがありません。
徹底的に手間と時間をかけて作りこむ料理人とは、真逆の食事をしていますが、僕は、料理人も実は、手を入れない料理は、手を入れる料理に負けないくらいとても美味しい。という矛盾に気が付いているのではないか、と考えています。さらにそれがもっとも健康であるという事にも。

だけど、僕のこの食事を「粗末なものを食べている」と言う人がいます。
「粗末」とはどういう意味だろうと考えます。
「手抜き」をしているということでしょうか。
確かに手はかけていません。
仕事や制作の合間に料理するということもあって、時間をかけられないからこういうスタイルになった。ともいえます。
だけどそれ以上に、外食した後におとずれる、あの「胃もたれ」というか、体に何か「異物が入ってきた」という不快感を避けるために、自炊を、こういうスタイルを選んだというのが大きいと考えています。
この僕の食事を粗末と言う人に、僕は逆に、あなたはどういう食事をしているのかと問いたい。
それこそ味付けの濃い、手間を入れ過ぎて、素材の味を殺すような不健康な食事を、「立派な食事」と思っているのではないか(決めつけるつもりはないけれど)。


食事は大切です。
僕の食事がパーフェクトであるとは考えていませんが、食べるたびに「体が喜んでいる」ことは確実に感じています。
人生と言う長い時間で見た時に、食事がそれぞれの体にどう影響していくか。そこまでみたときに、初めて立派か粗末かが、わかってくるのだと思います。

一汁一菜。
僕はそれこそが一番シンプルで立派で、美味しく、健康だと考えています。それが誰かには粗末に見えたとしても。□