ノン!

以前、スペインを旅したときのことです。
初めてのスペインだったから、僕は浮かれていて見るものすべてにびっくりしていたんだけど、宿泊したホテルにも、またびっくりして。部屋は広いし、綺麗だし、泊まったことのないリゾートホテルでした。
だけど、しばらくすると一緒に行った友人が「部屋を変えてもらおう」といいだしました。
窓からの景色が悪い。というのです。
確かに、窓からの景色は隣のホテルのビルの壁しか見えませんでした。
僕は、スペインに来ただけで大喜びだったのでそこまで見えていなかったのでした。
彼はすぐにフロントに、部屋を変えてもらう交渉に出て行きました。
やがて、部屋を変えてもらえることになった。といって、彼が戻ってきました。
変えてもらった部屋は最上階に近い、バルセロナの市街が広々と見える素晴らしい部屋でした。僕はまたびっくりしてしまったのでした。


自分の大切なもの、こだわりに対して彼はすぐに行動をしました。


日本人だからか、性格だからか、多くのことを妥協しているように思います。
仕方がない。主張をして嫌われるよりも、今ちょっと自分が我慢したら済む。
そんな動き方をして、ときには損をしていることもあるように思います。
岡本太郎画伯は「まずNONだ!」といいました。目の前の全てをまず疑い、否定するところから入れと。
嫌なことも口にしない限り、ずっと嫌なままなのです。
親友であれば曇った顔をしている自分のことを読んで、気を遣ってくれるかもしれないけれど、多くの人は人の気持ちなんぞは読んでくれません。エスパーでも無いですし。

あのときの彼の姿があれから10年以上が経った今になっても時折、思い出されるのです。

言葉にすれば何かしら世界は変わる。変えたいのならば、まずはNONだ!

自分の生き方を時折は棚卸ししてみてはどうか。と自分に投げかけています。□