目を覚まさせるもの

 

那須高原藤城清治美術館を訪れた。

 

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もはや説明はいらないかなと思います。

2013年、89歳の時にこの美術館を作りあげました。
怪物です。

現在94歳にしてなお、新作を描き続け個展を開催しています。
怪物です。

猪熊弦一郎を師とし、脇田和と交流し、花森安治と仕事をしてきた方です。
怪物です。

小さい頃に見てきた藤城氏の作品はNHK教育テレビの「おとぎの国」といった童話や民話、そして小人たちが踊るファンタジー作品のイメージが強いのですが、長い制作を通じ、多くの取材を通じ、あらゆるものをモチーフにして自分の世界に取り込んでいきます。
東日本大震災を取材し描き出した作品に圧倒されました。
防護服を身につけながら福島、東北を取材し、作品にその記憶を焼き込んでいます。
それまでの挑戦、作品の量と質、総じて文化勲章レベルの仕事だと思います。

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日々、遊び呆けてしまっている自分の姿を重ね、なんとも居たたまれない、居心地の悪い気持ちになってしまいました。
たかが100号の絵を1、2枚描くだけで、悲鳴をあげ、テーマが枯渇し、時間に溺れ、逃げてしまう自分の小ささにへこんでしまう。

もうやれないんじゃないか。もうできないんじゃないか。
そんな風に思った時は、やっぱり圧倒的な仕事を見るのがいいですね。
今の自分がどれほどまでに小さいかを思い知らせてくれる圧倒的な仕事を見る。これが「仕事」だという作品を見る。そして、脳震盪を受け自分を奮い立たせる。
今、藤城清治氏の作品に出会えてよかった。
楽しかった夏休みも終わりです。
これからの1ヶ月間、また見苦しくもがきながら描くと思うけど、もうちょっと頑張ってみます。□