ハイスコアガール!

アニメ「ハイスコアガール」がとても面白い!

今シーズンのアニメでは最高だと思っています。
...と書いてみましたが。オススメしているわけではありません!
そのへんを今日はつらつらと、徒然なるままに書いてみたく....。


原作の漫画「ハイスコアガール」は主人公ハルオがゲームセンターで知り合った女の子・大野とアーケードゲームや家庭用ゲームを通じて仲良くなっていくという、いわゆるサブカルチャーブコメである。

この作品の魅力の1つは、1980~90年代に実際に大人気だったアーケードゲームや家庭用ゲームが実名で登場して、彼らの恋愛模様に絡み合っていく点にある。
作者が当時、これらのゲームを実際にやりこんだ、という想いや愛が、作品の中に描きこまれていて、同じ時代に生きてきた少年・少女たちにとっては、垂涎。この作品が放つ強烈な「ニオイ」に吸い寄せられてしまうのである。まるで花に集まるミツバチのように。

漫画の人気が出るとすぐにテレビアニメ化が決定したが、作品の中に登場する実名のゲームの著作権問題が浮上して、漫画連載だけでなく、アニメ制作も放映間近にしてストップしてしまったのである。単行本は6巻の、物語としても最高潮のところで話がとまってしまったのである。

ファンは訴訟が収束する2年間を、このまま連載は終わってしまうのか?あるいは再開できるのか?という不安な気持ちを引きずりながら、永遠のような気持で待ち続けたのである。

上記のような背景を全て噛み締め、満を持してこの7月からついに放映に至ったのがこのアニメ「ハイスコアガール」なのだった。
そして本作はその期待を裏切ることは全く無く、作者の作品に込めた想いを、ゆがめず、こわさず、更にアニメとしての動きや音を最大限に活かした傑作として完成されていた。

漫画の中では音も動きもなかったゲームの表現は、実際のゲーム画面をはめ込み、楽曲もそのまま使用しているかたちで再現されていた。そして、間の取り方や、原作の独特の世界観を極力損なわないよう、丁寧に忠実に映像化されていたのであった。

 

以上、今シーズンのアニメとして、ハイスコアガールがダントツである理由を極私的に延々と書いてしまったのだが、おわかりいただけたであろうか。(あくまでも極私的に。です。すごい作品は他にもいっぱいあります)

裏返せば、これらの背景や事情にどれだけ関心があるかということが本作を「面白い」と感じれるかどうかに大きく関係しているのです。
関心を持たない人にとっては、きっとどこが面白いのか分からないだろうと思います。

 

幼い頃の楽しかった時代に結びついた音楽、漫画、ゲームの記憶といったものは、その人にとって燦然と輝く思い出となって一体化されて脳に焼きこまれています。
それは同時に、他人では決して理解できない「一体化された記憶」になっている。ということです。
どう言葉で説明しても、その「一体化された記憶」を他人の頭に再現することはできないんです。
「綺麗ですね」とか「良く動いていますね」というくらいの大きな部分の理解、評価ならば、きっとみんなと共有できると思うんだけどね。
こればっかりは、説明できない。ということで、オススメはしません。わかる方は是非観ていただきたいと思います。
少し前は、「最高です。みんな絶対見るべきです」とか思いを押し付けていたとおもうんだけどな。

 

個人だけの大切な「記憶」って、思えば「さみしい」よね。□

 

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