映画という花

アトリエでの制作の合間の休憩時間。

制作する仲間たちの間で、映画の話に花が咲きました。
先日観た「カメラを止めるな!」の僕の力説からです。

「面白かった?」

「どんな映画なの?」

この質問に答えるのは、じつはなかなか難しい。
「面白かった」と伝えると、人は期待を膨らませすぎてしまって「それほどでもなかったよ」と、なってしまうことがよくあります。
また、あらすじについて触れすぎてしまうと情報の入りすぎで、ゼロの視点で映画を見られなくなってしまう。

 

期待を持たせすぎず。かつ、ネタを漏らさないよう。そして、その映画に興味を持って実際に観てもらうために、僕らはどう映画を伝えるべきか。


おそらく映画評論家の人たちは、ここにすごく悩んで、何かの解答を手に入れたのだろうと思うのです。 

制作仲間の女性が、以前見た映画の話を聞かせてくれました。
その日、ちょっと時間ができたから、映画でも観ようとふらりと自宅を出て、映画館に向かったとのこと。
何を観ようかも決めておらず。そもそもどんな映画がやっているかも知らず。で、シネリーブル梅田までやってきた。
そこで初めて上映中の作品タイトルをざっと眺め、直感で観たい一本を決めて劇場に飛び込んだら、なんとそれは18禁のフランス映画で、双子の男性精神科医とその二人に診察を受けている女性患者の三角関係を性描写たっぷりに描いた作品だったとのこと。
序盤ではイケていなかった二人の精神科医も、女性患者も、ラストに向かうにつれてどんどん美男美女に見えて行ったと、楽しそうに話していました。

良い映画の観方をしているなぁと思いました。
映画ってこういう見方が一番素敵なんじゃないかな。
情報が豊かになりすぎて、観る前から、あれがよかったこれがよかっただの、どんな話だったかなんてことが溢れてしまっています。
どこの国の映画か。いつごろとられた作品か。どんなジャンルか。どんな物語なのか。誰が出ているか....。そんなことを何ひとつ知らない状態で、今、目の前で始まったものを、真剣にじっくり楽しむ。
これほど豊かな映画ライフはないと思う。
そうはいってもなかなかふらりと映画館にでかけて直観で1つを決めてみる。ということは時間貧乏の僕にはなかなかできないことです。
まずは、名作をたくさん放映してくれているNHKのBS映画から、時には名も知らないタイトルをエイヤで決めて観てみるなんて楽しいかもしれない。

せかせかする時間をいったん離れて、映画でも大人らしいスマートな楽しみ方に挑戦したいものです。□