今日の一冊

 

神様ゲーム」 麻耶 雄嵩著 講談社文庫

 

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新刊でもない。

名前も知られていない。

でもどうしても手に取ってほしい。

という本を、書店が一生懸命、推している。

最近は書店が推薦するそんな本を、なるべく手に取るように心がけています。

本屋に並ぶ本は、圧倒的に増えていると感じます。
ネットから作家がデビューする時代です。
出版社も増え、雑誌も増え、作家も増えている。
僕らも、作家や出版社の主張に溺れて、何を手に取っていいか困り果てている。
そんなときこそ。の書店の推薦書です。書店の沽券にもかかわるから、安直な推薦はできません。ある程度の信頼を委ねて名著を見つけることができます。
昨今、本屋大賞が、直木賞などの著名な賞をしのぐほどの存在感を見せているのは、庶民代表の僕らのおすすめも是非読んでみてください!という強い想いが、格式ある賞をしのぐほどになってきているからではないだろうか。

神様ゲーム」もそんな書店の強い推薦から手に取った一冊です。

読み出しの印象は児童文学という感じですが、神様と名乗る少年が出てきて、おや?と思っていた矢先に、恐ろしい事件が起きます。
それから事件の衝撃的な結末まで、児童文学がまさかのR18指定(?!)にまで変貌を遂げながら、物語が突き進みます。
............これ以上は書かない方がいいですね。
「え、こういう小説なの?」という発見もあって、楽しく読めたので。
何も知らずに手に取るのがいいのかもしれない。書店の推薦文もそんな感じだったと思います。

それにしてもこの結末は......。
いろいろ調べてみたけれど、やっぱりミステリファンの間でもかなりの物議がかもされたようで、未だ決着はついていないみたいです。僕も未だ頭の整理ができていません。

揺れます。軽い児童文学のつもりで手に取った本が、これほどまでの余韻を残すとは.....。

書店の推薦、おそれいりました。この秋はミステリー三昧です!□

 

追伸。表紙は売れっ子作家のヒグチユウコ女史です。