異国の居酒屋

天満で一杯いただいた。

路地裏を入った奥にあるひっそりと小さな居酒屋だった。

小さな店に入るときの不安のひとつに「客がいなかったら...」ということがあろう。
いくらおいしくても、初めて行く店で自分一人、大将と向かい合って、じっとりと呑む展開は、中々肝っ玉が冷える。

そんな不安を抱えながらエイヤと飛び込んでみたら、カウンターに2組、テーブル席に6名の客が既に宴会を始めていて、店の裏路地感や小ささなんて瞬時に吹き飛んでしまうほどの賑やかさだった。
これまでに磨かれてきたぼくの「居酒屋アンテナ」がこの店はいい。と、即座に判定をくだした。素晴らしい店だった。

小さい店ながらカウンターには多くの日本酒の銘柄が並ぶ。
ただ著名な銘柄を並べたのではなくて、ハーフサイズの注文もできるところなどに、店主のこだわりが感じられる。
料理もうまい。これはいい店を見つけたぞ♪

 

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うきうきしていたら、ふらりと外国人のカップルが入ってきて奥のカウンターに座った。30代くらいかな。店は満員である。

呑んでいる途中、ちらちらとその外国人たちの様子をうかがってしまった。

 

「日本人ですら入るのに勇気がいるようなこんなお店に、よくもまあ、飛び込んでくるものだなあ....。」


ぼくも、かつてニューヨークやイタリア、フランスを旅をすることがあった。
だけど、僕がそれらの国を訪れた時、現地でこんなローカル色の強いお店に、飛び込む勇気はなかった。
もちろん憧れはあります。折角の旅です。
そこらへんにあるチェーン店や観光地のど真ん中にある大手のレストラン等で、旅の食事を粗末に終わらせてしまうよりも、地元の人ですら知らない、行ったことも無い「通」な店に入れたらどんなにしあわせなことだろうと思うのです。
日本ならば、いつもかならず徹底した店探しをしますが、海外ではなかなかそんなおこだわりを叶えることはできません。ましてや一人ならなおさらです。
異国の地のお店に対する確かな情報を調べる必要があるし、お店の人と話すための語学力も必要でしょう。
僕が海外で食べたレストランは、異国の地にひとりでやってきたという解放感が美味しさを感じさせてはくれたものの、とびきりうまいというわけでもなかったのです。
今、この店に入ってきた外国人カップルを眺めた時、そんなことをつらつらと思い出してしまっていたのでした。

「よかったね!この店、大当たりだよ!!」と彼らに声をかけてあげたいくらいでした。

それにしても、メニューは日本語のみ。小さな字でぎっちりと料理や酒の名前で埋められている。
彼らはどうやって注文しているのだろう......?と思っていたら、男性の方が日本語で注文していました....。女性の方は日本語はわからなかったみたい。男性が女性を招待したようでした。
そうだとしても、やっぱり、なかなかこられない店ですよ。

僕も次回、海外に行ったら、今度こそはおこだわりのお店に飛び込んでみたいなァ。

今宵もまたまた楽しいお酒になりました。□

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香川の銘酒・悦凱陣。

 

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山川光男。ジャケットに衝撃。ゆるい。和田ラジヲか。